新潟精密のFN1242を使ったDSD再生機の製作を始めている。パーツはすでに1年前からチマチマと集め始め、今月に入ってケースとトランスを購入、組み立てを開始している。
PCからUSB経由でデータを転送し、UDA2⇒PCM2DSD⇒FN1242-5⇒RenewA12の構成となっている。まずはケースを加工して、リアパネルまわりについては完了した。フロントについては動作確認したのちどれくらいのコストをかけるかを検討するつもりである。

さて一通り基板の配置を決めて、電源の配線をした。デジタル系についてはこれまでの自作ですべて一発動作なので、アナログ系のRenewA12の調整をまず始めることにした。まずはソースとなるLED電源の動作を確認してみた。しかしプラス側の電源が駆動しない。基板を取り外して確認するが、見た目は特に問題ない。しかしこれまでの経緯からこの基板はGNDまわりのランドサイズに難があるのでGNDに落ちるところを再度コテを当ててやった。思った通り、うまく導通していなかったらしく、無事出力が出てきた。しかしおかしい。電源を切った時にすぐにLEDが暗くなる。でかいコンデンサがあるのでチャージ分はLEDが光るはずである。これはまたかということでまた基板を外し、コンデンサまわりを確認。ランドにはんだがうまくのらないようだ。仕方ないのでGNDがとりやすい別パターンから配線を引き回し、やっと正常に動作するようになった。老眼とこれには本当に泣かされた。

気を取り直して、基板をケースに戻し、A12に±15Vを注入した。終段Trのバイアス調整をするのだが、全く流れない。しかもなんか焦げ臭い。LED電源に触ると出力Trがチンチンになっている。あっ!と思って電源を切ろうとした瞬間、
ボンっ!
という音とともにA12の電界コンデンサがバズーカのように飛んでしまった。顔から血の気が引いてしまった。よく見るとLED電源出力の配線を間違えている。つけたり外したりしているうちにマイナス電源のところにGND、GNDにV-を接続してしまったようだ。
A12_2
自作でコンデンサが飛んだのは初めて。頭が切れ目に沿ってきれいに割れている。


A12_1
同じコンデンサは持ち合わせていないので、とりあえずたまたま部品箱にあったMUSEを取り付けた。また終段Trは念のため新しいものに交換した。

さて気を取り直してバイアス電流を調整し始めた。しかしあいかわらず調整ができない。調整VRを回していくとあるところで電流が流れるのだが、どんどんドリフトしていきTrが熱くなってきてしまう。ああ、ほかの素子も死んだのかなとがっくりときたのだが、念のためチェックしてみることにした。抵抗は問題ない。Trも一つずつ取り外してhfeをチェックしたが問題なさそう。不幸中の幸いかと思ったが、どうしてバイアス調整できないかがわからない。オフセットはぴたりと合わせることができる。じっと基板と回路図をみていて、ちょっと気になったのが、アンプの帰還部分。抵抗はデールのRS-2B(DAC1794-3.5に使っていて外見が壊れたもの)、コンデンサはスチコンを取り付けている。スチコンの耐圧は50Vなので問題ないと思うのだが、破壊したのだろうか。もしかしてRS-2BのL成分とCで共振を起こしたとか(素人なのでわからないが)。とりあえず、スチコンを回路から外してみることに・・・。
A12_3
すると、正常にバイアス電流が流れるようになり、ドリフトもしない。ああー、ここだったのかというホッとした気分と少しうれしい気持ちになった。いずれここは何かしらの対策が必要だ。スチコンが死んでないのであれば、コンデンサなしにするか、抵抗を変えるか何かを検討したい。

これでアナログ系の動作が確認できた。課題はあるが、音だしは可能になるだろう。
そうそう、UDA2とPCM2DSD基板のセルフパワーのジャンパを忘れないように確認しないとまた同じことに。