エクソソーム

昨日、今日と新聞やテレビを賑わせているこの話題。血液を少しとるだけで、日本人に多い13種類のがんを特定できるという。と言っても、この話はNEDOのプロジェクトとして80億円弱の予算で研究を始めますということらしい。
 これまでもがんの最新の診断方法として、血中浮遊がん細胞(CTC)とともにその可能性が話題となっていた。CTCは血液に流れるがん細胞を直接捕獲して分析するものだが、捕獲に必要なバイオマーカーの特定がまだすすんでおらず、唯一EPCAM抗体での捕獲が実用化されている。それに対し、今回はがん細胞も含め細胞が放出するエクソソームのマイクロRNAを解析するというものであるから、攻め方が大分異なるようだ。エクソソームはここ数年注目されており、ものは直径50-150ナノメートルくらいの小顆粒である。免疫系などに関与しているらしく、情報伝達物質に近いイメージか。
国費研究は立ち上げ時は大騒ぎするが 、プロジェクトが最終的にどうなったかの話題は聞こえてこなくなるケースが多い。この研究は是非成功してほしいし、その成果をもう一度世にアピールしてほしいと思う。